実家が空き家になったらどうする?売る・貸す・維持する…判断に迷ったら読んでみて!

空き家になった実家どうする?

実家を相続したけれど、誰も使う予定なし…売る、貸す、維持する、どれを選ぶべき!?

空き家を活用するにはどんな選択肢があるか教えてほしい

どんなことに注意して選べばいいか知りたい!

こんな悩みを解決できる記事になっています!

予備知識なしで空き家の方針を決めてしまうと、あとで損をしたり家族と揉めたり…

・記事の前半では「活用するか手放すか判断の軸整理法、空き家7つの選択肢」

・記事の後半では「注意すべき点、知っておかないと損をすること」

をお伝えしていきます。

実際に私も、実家が空き家になったらどうするべきか方向性が見えて、頭の中がスッキリし悩みが解消されたよ!

実家をどうするか判断できない…そんな人はぜひ何回も読み返してくださいね!

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目次

空き家を放っておくと思わぬリスクが!

「空き家をどうするか」判断できず放置していると、さまざまなリスクがあるのを知っていますか!?

空き家放置のりリスク

空き家のリスク

・建物の価値低下

相続登記の義務化(違反すると過料が科される)

・相続が複雑化する

「特定空家」「管理不全空家」に指定されると、固定資産税が最大6倍に!

損害賠償の可能性

空き家放置リスク特定空家管理不全空家に関する詳しい記事は下記を参考にどうぞ

空き家の法律が改正(令和5年12月13日)されて、空き家所有者の責任がさらに重くなったんだ

空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を 改正する法律(令和5年法律第50号)について(国土交通省)

適切な管理をしていないと、「管理不全空家」とみなされて、固定資産税がUPするよ!

空き家所有者は、適切な管理早期売却など、決断を迫られる時代に!

なぜ「そのまま」にしてしまうのか?よくある理由

空き家になった実家を放置してはいけないことはわかっているんだけど…

なぜそのままにしてしまうのでしょう?

理由はいくつかあります。

遠くて管理できない

庭の手入れが大変。気づいたら庭がジャングル状態に…

・家の中に遺品や家財がたくさん!物置として必要

相続で共有にしてしまった。相続人全員の意見がまとまらなくてどうにもできない

仕事、家事、育児、など忙しくて、実家のことなんて構っていられない!となりますよね…わかります!

ですが、行動を起こさないと空き家放置のリスクがあなたにも💦

次の項からは、空き家を放置しないためのステップとして、

空き家をどうするか「判断の軸」を整理していきましょう!

空き家を手放す or 活かす?「判断の軸」を7つの項目から整理しよう!

空き家をどうするか悩んだら、「判断の軸」を整理することから始めましょう!

整理することで、自分に合った方向性が見えてくるよ

7項目あるので、順に見ていきましょう◎

空き家活用判断軸

①立地:どこに実家があるか

空き家の「売却・賃貸・活用・維持」の判断は、まず立地から考えましょう◎

都市部か地方か、駅近か山奥か、立地によって実現しやすい選択肢はまったく異なってきます。

例えば…

都市部や駅近など人気エリアなら、売却・賃貸・民泊など多様な選択肢がある

田舎や過疎地域の場合は、買い手・借り手が見つかりにくく、維持や活用に工夫が必要

同じ田舎でも、「田舎暮らし希望者向け」「移住支援制度のある地域」などは活用の可能性あり

定期的に通える距離かどうかで管理のコストが大きく変わる

実家が遠くにあるなら、交通費だけで多額の費用が…!自主管理は難しそう…

立地から考える「向いている選択肢」

立地条件向いている選択肢補足
都市部・駅近売却/賃貸/民泊高値で売れる可能性あり。
郊外・住宅地売却/賃貸/空き家バンク活用需要次第。修繕すれば貸せることも
田舎(不便な場所) 売却/賃貸/空き家バンク活用/相続放棄無理に残さず早めに決断を。自治体支援が鍵
観光地・温泉地など民泊/貸別荘立地によってはビジネス化のチャンスあり
再開発・移住促進エリア売却/ 活用自治体情報をチェック。

チェックポイント:あなたの実家はどう?

✅ 駅やバス停までの距離は?

✅ 周囲にスーパー・病院・学校はある?

✅ ネット環境は整っている?

✅ 自然の景観や畑、広い庭はある?

✅ 近隣に似た空き家はある?活用例は?

管理を考えるなら、ここをチェック!

✅ 自宅から車で何分?定期的に通える距離か?

✅ 除草や通風などの作業は誰がやる?

✅ 周囲の住宅との距離は?近隣トラブルの可能性は?

✅ 管理を委託する場合、対応してくれる業者があるか?

✅ 地域で「空き家条例」や「特定空き家」指定の可能性は?

管理のしやすさや将来の可能性を含めて、実家の立地を再確認しよう◎

②物件種別:戸建てorマンション

戸建てマンションでは、「売却・賃貸・維持・解体」といった選択肢の幅や費用、注意点が異なります。

物件種別ごとにできること難しいことを知ることで、より現実的な判断ができるよ◎

戸建ての特徴と向いている活用方法

■ メリット

  • 土地ごと売れる(資産価値がある)
  • 間取り・用途の自由度が高くリノベもしやすい
  • 民泊・賃貸・解体など選択肢が多い

■ デメリット

  • 修繕・維持管理費が高い(屋根・外壁・庭など)
  • 空き家としての管理リスク(雑草、倒壊、近隣トラブル)
  • 古くなると資産価値が下がりやすい

■ 向いている選択肢

  • 売却(立地次第で土地としての価値がある)
  • 賃貸・シェアハウス・民泊
  • 空き家バンク活用、移住支援
  • 更地にして売却 or 駐車場活用

マンションの特徴と向いている活用方法

■ メリット

  • 立地が良ければ賃貸需要が高い
  • 外部の管理会社が管理してくれる(共用部の維持が不要)
  • 高齢者向け・単身者向け賃貸として活用しやすい

■ デメリット

  • 修繕積立金・管理費などが空き家でも発生
  • 賃貸に出す場合、管理規約の制限がある場合も
  • 建物自体が古いと売却しづらい(耐震・エレベーター無しなど)
  • 解体・建替えは住民合意が必要で困難

■ 向いている選択肢

  • 賃貸(ワンルーム・ファミリー向けなど)
  • 売却(駅近・都市部なら高値も期待)
  • 相続人が住む/セカンドハウスとして活用
  • 放置はNG!固定費がかかり続けるため早めの決断を

「とりあえず賃貸に出そう」「売ればいい」と思っていても、物件種別によってできること・できないことは違うよ!

物件の現状と立地、築年数をもとに、「選べる選択肢」を整理しましょう。

③所有関係:名義や共有関係を確認しよう

空き家の活用や処分を考える前に、「空き家の所有者は誰か?」確認しましょう!

登記名義人が亡くなっている場合や、複数の相続人がいる場合には注意

複数の相続人がいる場合相続人全員の同意が無ければ売ったり貸したり出来ない…放置してしまう原因に!

所有関係から考える「向いている選択肢」

所有状況状況の説明向いている選択肢理由・ポイント
自分が単独で所有している(登記済)相続登記も済み、名義が自分になっている売却・賃貸・民泊・管理手続きがスムーズに進めやすい。タイミングを自分で判断できる
相続登記が済んでいない(親名義のまま)親が亡くなっているが登記は未了まずは登記→その後判断相続登記をしない限り、売る・貸すことはできない。管理責任もあいまいになる
相続人が複数いて共有状態兄弟などが法定相続人として複数いる維持・管理・相続放棄売却や賃貸には全員の同意が必要。話がまとまりにくい場合は要注意
遺言書があり、自分が相続することが決まっている公正証書遺言などで所有者がはっきりしている売却・賃貸・自用・民泊トラブルが起きにくく、自由度が高い。スピーディーな対応が可能
相続放棄した人がいる兄弟の一部が放棄している残った人で管理・処分誰が残ったかによって選択肢が変わる。登記整理と共有関係の把握が必要
所有者が高齢で認知症の疑いがある判断能力に不安がある、すでに判断できない管理・成年後見制度、家族信託の検討契約行為(売る・貸すなど)ができない。法的手続きに時間がかかる

補足

登記が親名義のままなら、何も始められません。まずは「相続登記」が必要です。

共有状態の場合は、共有者全員と意思統一できるかどうかがカギ。話し合いが難しいなら「相続放棄」や「持分売却」など選択肢も視野に。

遺言書(自分が相続することが決まっている)かどうかで、空き家の処分がスムーズに進むか大きく変わります。親が元気なうちに、遺言書を作成してもらうことがベスト!

親が認知症になると、実家の「売却・賃貸契約・相続手続き」が一切できなくなります。記事の後半で詳しく解説します◎

空き家の活用や処分を考える前に、まずは名義の確認から。

名義を確認するには登記簿をとろう!登記簿はインターネットで簡単に取得できるよ◎

登記簿をインターネットで確認するにはコチラから

登記情報提供サービス

所有関係が整理されていないと、どんな選択肢も前に進みません!

④遺品や家財の量:大量にあるとマジで大変

遺品や家財がたくさんあると、本当に大変です。

遺品整理に100万円以上かかったケースや、自力で1年以上かけて片付けたケースも💦

タレントの松本明子さんは実家じまいのさい、

「家財や遺品の整理が〇ぬほど大変だった」

と言っています。

家財の量から考える「向いている選択肢」

家財の量状況向いている選択肢
家具や衣類が大量に残っている整理だけで数十万円以上かかる可能性あり維持・相続放棄(片付けに着手しない選択)・不動産会社に買取依頼
すでに片付いていて空き家状態すぐに内覧や写真撮影が可能売却・賃貸・民泊
遺品整理が一部済んでいるがまだ中途半端段階的に判断が必要維持しつつ様子を見る・片付け完了後に売却検討・不動産会社に買取依頼

片付けの選択肢

・自分たちで行う(時間と人手が必要)

・遺品整理業者に依頼(10万~数十万円)

・不用品買取業者やリユース業者を活用(費用軽減になることも)

・家財付きのまま「現状渡し」で売却する方法もある(交渉次第)

親が元気なうちにコツコツ片付けるのがベストだよ!

「自分で管理する方法」はコチラの記事をどうぞ

自分で管理が難しい場合は、管理サービスを利用しよう!

つなぐ空き家netの水戸市空き家管理サービスはコチラ!

⑤お金:収支のバランスから考えよう

空き家をどうするかの判断は、収支をざっくり出してから考えましょう◎

・空き家には所有しているだけで固定資産税・火災保険・修繕費・草刈り・見回り管理費などがかかる

・手放す選択肢(売却・相続放棄)には初期の手続きコスト(登記・相続・片付け)がかかる場合も

・活かす選択肢(賃貸・民泊)でも、リフォーム費用・管理費・設備の更新など、初期投資が必要

「どのくらいの支出があるのか」「収益化できそうか」を、だいたいでいいので見積もることが重要!

「売却・賃貸・維持・民泊・相続放棄」のおもな「費用」と「収益」

選択肢費用収益
売却解体費用(必要な場合)、登記費用、不動産仲介手数料、譲渡取得税売却益(固定資産税評価額や市場価格による)
賃貸リフォーム費用、管理費、火災保険家賃収入(月数万円~エリアによる)
維持固定資産税、草刈り・清掃、年1〜2回の帰省交通費など将来使う予定があるなら価値あり。収益は出ない
民泊許可申請、内装整備、運営管理費用利用状況によっては高収益になるが波がある
相続放棄相続放棄の書類作成(数万円)、必要なら司法書士費用維持費をゼロにできる(引き受け先がない場合、結局管理責任が残ることも)

判断のポイント:まず試算しよう!

✅ 固定資産税はいくら?例)年間10万~30万円(※地域・広さによる)

✅ 今後10年間、管理費としていくら必要?例)5000円/月とすると10年で60万円

✅ 売ったらいくら?貸したら毎月いくら?→※自分で試算する方法は下記の記事を参考に◎

✅ 初期費用(片付け、修繕、登記など)はいくらかかる?

例)

・ハウスクリーニング:十数万円~30万円程度

・解体費用:100万~500万円(※規模による)

・相続登記(司法書士依頼):5万~15万円

実家を売って収益があったら税金が発生するよ!
「貸してから売ろう」と考えている人は、税金を抑える制度が使えなくなるかも!記事の後半で解説します!

※売ったらいくらか試算する方法はこの記事を見てね◎

※貸したらいくらか試算する方法はこの記事

お金の出入りを把握することで、「感情」ではなく「損しない判断」ができるよ◎

⑥気持ち:思い出の品と一緒に気持ちも整理しよう

実家に思い入れがあると、なかなか売るか貸すか判断に迷って、気づいたら放置してしまいます。

タレントの松本明子さんは、父親から遺された

「実家を頼む」

という言葉で、なんと25年間も実家を手放せなかったんです💦

松本明子さんは、写真や思い出の品を気持ちと一緒に整理することで売却に踏み切ることができました。

実家に対するよくある気持ち

・実家には、思い出や親との記憶が詰まっており、簡単に「手放す」とは決められない

・親の苦労を知っていると、「売ってしまうのは申し訳ない」という罪悪感が湧くこともある

・逆に、空き家に行くたびに「片付けのストレス」「遠方の負担」で嫌な気持ちになる人もいる

気持ちから考える「向いている選択肢」

気持ち状況の説明向いている選択肢
残したい、守りたい思い出が強く、他人に貸したり売るのがつらい維持・将来使う前提で管理
売るのは後ろめたい親の建てた家を売るのが心苦しい家財や仏壇だけは丁寧に整理してから売却する、貸す
忘れたい、関わりたくない相続に伴うトラブルや家族関係の問題がある相続放棄・売却・解体
気持ちが定まらない感情の整理がついていない一時的に維持して考える期間を設ける(時間を味方に)

補足:気持ちの整理に役立つ方法

・家族と話す:兄弟姉妹で思い出を共有しながら今後を考える

・プロに相談する:第三者の意見を入れると、冷静に判断しやすくなる

・写真・記録を残す:「形ではなく記憶を残す」という選択もある

・お焚き上げ・供養:仏壇や思い出の品は心を込めて整理することで心の区切りがつく

気持ちに区切りがつくと、次の行動に移せると思います。思い出の品と共に整理してみませんか?

⑦将来性:その空き家、10年後も価値があると思えますか?

空き家の活用・処分は「いま」だけでなく、

将来どうなるか

も視野に入れて考えることが大切です!

「10年後に売れる? 子どもが使う? 地域の価値はどうなる?」を見据えて判断しましょう。

背景

人口減少・高齢化で、エリアによっては不動産の価値が下がり続けることも

・子ども世代が戻る予定がないなら、維持しても空回りになる可能性がある

・一方で、再開発・移住支援・地域ブランディングなどで将来価値が上がる地域もある

・「まだ使える」「思い出がある」だけではなく、10年・20年後の視点で残すか手放すか考えることが重要

将来性から考える「向いている選択肢」

判断軸内容将来性ありなら将来性が低いなら
エリアの人口動向人口が増える/減る持ち続ける選択も早めの売却・放棄も検討
子や親族の意向将来使う予定がある維持・管理しておく・定期借家契約で貸す無理に残す意味が薄い
地域の再開発や移住政策移住者誘致、空き家活用の動きがある民泊・賃貸など活用の余地空き家バンクでも難しい可能性
インフラ状況駅・病院・スーパーの有無など高齢期に住む・貸す可能性解体や売却を優先

「いま手放すのはもったいない」と感じても、将来使う可能性が低ければ、いま動くほうが得になることも。

感情だけでなく、10年、20年先を見据えて考えましょう◎

空き家どうする?7つの選択肢

空き家をどうするか「判断の軸」がなんとなくわかったら、空き家にどんな活用方法があるのか見ていきましょう!

空き家活用選択肢イラスト

メリットデメリットをしっかり理解して、自分に合った選択を!

① 売る

まずは「売却」から!

維持費の負担から解放されるかわりに、故郷がなくなることになります。

メリット

・まとまった資金が得られる

・維持費や固定資産税の負担から解放される

・管理の手間がなくなる

デメリット

・思い出の詰まった実家を手放す

・故郷がなくなる

・不動産価値によっては期待以下の価格になる

向いている人

・遠方に住んでいて、自分では管理できない人

・現金化して相続人と公平に分割したい人

売却方法

・不動産会社に売買の仲介をしてもらう

・不動産会社に買い取ってもらう

・空き家バンクに登録して売却する

詳しい売却方法はこの記事を参考に♪

売却にかかる期間や費用を知りたい人はコチラ

② 貸す

「賃貸に出す」ことを選択すれば、実家を手放さず、収益も♪

ただし、色々とデメリットも💦きちんと理解しておくことが大切!

メリット

・家を手放さずに家賃収入が得られる

・人に住んでもらうことで家の劣化が防げる

・売却を保留できる

デメリット

・修繕やメンテナンス費用がかかる

・貸主とトラブル

・空室のリスク

向いている人

・故郷を手放したくない人

・いつか自分や親族で使いたい人

賃貸方法

・不動産会社に仲介を依頼する

・不動産会社に借り上げてもらう(サブリース)

・空き家バンクに登録して借り手をさがす

メリットデメリット、賃貸に出す際の注意点などもっと詳しく知りたい方はコチラ

下記記事では空き家を賃貸に出す手順を解説しているよ◎

③ 維持する

続いては、維持!しっかり管理しないと「管理不全空家」に認定されて固定資産税が最大6倍に…!

「管理不全空家」とは放置しているとボロボロになる可能性がある空き家のことだよ!イエローカードってこと!
「管理不全空家」とは

メリット

・実家を思い出の場所として残せる

・将来的に活用や売却が出来る

デメリット

・固定資産税や維持費がかかる

・空き家のままだと劣化が進む

・防犯・防災面でリスクが高まる

向いている人

・お盆やお正月に帰りたい人

・仏壇など遺品や家財が残っている人

管理方法

・自分で管理する

・空き家管理サービスを利用する

自分で空き家を管理する方法は下記記事を見てね!

このサイトでは、水戸市で空き家管理サービスを提供しているよ◎

冬の水道管凍結は破裂の危険が…!下記記事で予防法を解説しています!!

④ 更地にする

更地にすると売り手はつきやすくなるけれど、解体費が高い…。

メリット

・土地が有効活用できる(駐車場や資材置き場として賃貸、更地として売却など)

・建物の維持管理費や修繕費が不要になる

・老朽化した建物がなくなり安全面がよくなる

デメリット

・解体費用が高額(ざっくり、100万~500万円程度※規模による)

・解体後の土地利用がないと空地としての維持費が発生する

・固定資産税・都市計画税が最大で6倍になる
※建物がある状態では住宅用地の特例により税金が軽減されていたが、更地にすると特例が使えなくなる

向いている人

・立地がよく、売却や賃貸しやすい場合

・建物が老朽化していて管理できない人

更地にする方法

・解体業者に複数見積をとる

・ライフラインの停止を忘れずに

・解体作業が終了したら「建物滅失登記」を行う

⑤ 民泊にする

インバウンドで民泊需要が高まっています!ただ、運営には手間がかかる…💦

メリット

・地域の活性化に貢献できる

・宿泊の収入が得られる

・使いたい時は自分でも利用できる

デメリット

・運営の手間がかかる(清掃・備品管理・鍵の受け渡しなど)

・初期投資資金が必要となる

・旅館業法や消防法など、法令遵守が必要でハードルが高い地域もある

・近隣住民とのトラブルリスク(騒音・ゴミ出しなど)がある

・安定した稼働率が得られないと赤字になるリスクもある

向いている人

・観光地、ビジネス圏、海・山の近くなど「人が来るエリア」に空き家がある

・空き家が戸建てや間取りが広めの住宅で、ゲストを複数受け入れやすい

・自分で運営するか、信頼できる民泊代行業者に委託する体制が整っている

・継続的に清掃・対応ができる、もしくは業者に任せられる予算がある

⑥ 空き家バンクを活用する

空き家バンクとは、自治体が運営する空き家の売主や買主をマッチングする制度です。

空き家のある自治体の空き家バンクページを確認してね

メリット

・空き家の情報が広く共有され、買い手や借り手がみつかりやすくなる

・登録費用が無料の場合が多く手軽に始められる

・条件に合えば、補助金や改修費支援を受けられることも

デメリット

・登録後すぐに買い手や借り手が見つかるわけではない

・登録には一定の条件がある(事前に家屋の修繕が必要なケースも)

・価格相場が安めに設定される傾向がある

・写真・物件情報の準備、内覧対応など自分で対応する必要がある

・空き家バンクは情報提供が主で、利用には地元不動産会社との連携が必要な場合がある

向いていいる人

・高値で売るより、誰かに使ってもらいたい気持ちがある人

・市場流通が難しい築古物件や過疎地域の空き家を所有している人

・利活用に興味のある人(移住支援、地域活動など)とつながりたい人

(番外編)相続放棄する

借金など負の財産がある人は、相続放棄も視野に…!

手続きの期限は「自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内」だよ!

メリット

・空き家の管理・修繕・固定資産税などの負担から解放される

・空き家と一緒に、借金などのマイナス財産も相続しないで済む

・手続きが法的に確定するため、後々のトラブルを防げる

デメリット

・空き家だけでなく、預貯金や価値のある財産も相続できなくなる

・一度放棄すると撤回できない(やっぱり相続したい、が通らない)

・次順位の相続人(兄弟など)に負担が移る可能性がある

・放棄後も一定期間、管理責任を問われる可能性がある

向いている人

・老朽化が激しく、修繕や解体に高額な費用がかかる

・空き家以外のプラスの財産がほとんどない or 借金が多い

・遠方に住んでおり、管理や活用の見通しが立たない

・他の親族とも合意が取れている、または単独相続の予定

相続放棄のやり方

相続を知ったときから3か月以内に手続きが必要!

・相続の開始(被相続人の死亡)を確認

・財産の調査をおこない、相続放棄の必要書類を集める

・家庭裁判所に「相続放棄申述書」を提出

・裁判所の審査を経て、「相続放棄受理通知書」が届く

・法的に放棄が確定(以後は一切の権利義務を放棄)

選ぶ前に知っておきたい注意4選

空き家になった実家をどうするか選択肢を決める前に、注意点があります!

知らなかった、だとのちのち損をしたり後悔したり…

次の4つの項目を読んで理解を深めましょう!

空き家活用注意点

①「税金」から考える、売る・貸すの判断軸

「空き家を賃貸に出して、数年後売ろう!」と思っている方、要注意です!

なぜなら、人に貸してしまうと税金を抑えられる制度を使えなくなり、かえって損をしてしまう場合があるからです

説明していきますね。

空き家を相続したり売ったりしたら、税金がかかります。

主な税金2つ

①実家を相続した際にかかる、「相続税」

  →軽減措置「小規模宅地等の特例」

②実家を売ったらかかる、「譲渡取得税」

  →相続前に売った場合の軽減処置「居住用財産の3000万円の特別控除」

  →相続後に売った場合の軽減処置「空き家の3000万円特別控除」

3つの軽減措置

①「小規模宅地等の特例」
被相続人(亡くなった方)の居住や事業に使われていた土地について、一定の要件を満たせば土地の評価額を最大80%減額して相続税を軽減できる特例。

②「居住用財産の3,000万円控除」
マイホーム(居住用財産)を売ったときに、譲渡所得から最大3,000万円まで控除できる特例。相続とは無関係で、生前の売却にも適用される。

③「相続空き家の3,000万円控除」
相続した空き家(被相続人が住んでいた旧耐震基準の家)を相続人が売却する際、譲渡所得から3,000万円控除できる特例。

それぞれ「軽減措置」があり、要件を満たせば、かなり税金が抑えられます、が!

実家を賃貸に出したら、「軽減措置」が使えなくなるんです。

「軽減措置」が使えるか使えないかで、「売る」「貸す」どちらがお得か損をするか決まります!

「空き家を賃貸に出して、数年後売ろう!」の場合

・被相続人:父(令和3年に亡くなる)

・相続人:息子(別居)

・実家:昭和50年築の木造戸建(旧耐震)、1人暮らしの父が住んでいた

・息子が相続し、令和4年から令和6年まで3年間賃貸に出す

・賃貸終了後、令和6年に取り壊して土地を2,000万円で売却

各特例の適用可否

小規模宅地等の特例(相続税)

相続した実家をすぐに第三者に賃貸に出すと、

「居住用宅地」扱いにはならず、使えません!

相続した実家の相続税の申告(相続開始から10か月)後に第三者に貸すと、

相続税申告時点で特例の要件を満たしていれば特例は使えます
相続税申告後から賃貸しても、さかのぼって特例が取り消されることはありません

②居住用財産の3,000万円控除(生前の自宅売却

使えません。これは本人が生前にマイホームを売却した場合のみ使える特例だからです。

③ 相続空き家の3,000万円控除

使えません!一度でも第三者に貸して住まわせたらアウトです。

この控除は「相続後も空き家状態のまま売却」が原則。

結果まとめ

特例名適用内容
①小規模宅地等の特例相続時の要件次第。賃貸直行だと難しい
②居住用財産の3,000万円控除生前売却に限る
③相続空き家の3,000万円控除賃貸に出したため適用不可

実際の税額差シミュレーション

パターン譲渡価格取得費譲渡所得特例適用税額(約20%)
相続後すぐに更地売却2,000万100万1,900万✅控除3,000万 → 非課税0円
賃貸後に売却2,000万100万1,900万❌控除なし約380万円

月8万円で賃貸に出したとすると、
約4年で380万円になるね!長く貸せるなら、賃貸でも◎

「相続空き家の3000万控除」は厳しい条件があって、更地にしたり、耐震補強したりしないといけないよ。
下記の記事を要チェック!

下記記事では、実家を売るさいにかかる税金や節税制度を詳しく解説してあります◎

「特例を活かした売却」と「収益性のある賃貸」のどちらが得かは、ざっくり試算して考えましょう!

②【再建築不可物件の場合】資産価値や活用の幅に制限あり

空き家が「再建築不可物件」の場合、売却や活用に大きな制限がかかります!

「古くなったから建て替えよう」と思ったら、再建築ができずに、土地が“使えない”状態、なんてことに💦

※再建築不可物件とは

現在の建築基準法では家を建てるための条件を満たしていない土地にある建物のことです。

・幅4メートル以上の道路に2メートル以上接していない

市街化調整区域などで建築制限がある

敷地の一部が他人の土地になっている

このような物件は、一度建物を解体してしまうと、新たな建物が建てられない可能性があるため、資産価値が低くなります。

「再建築不可物件」は、売却しようとしても、買い手が見つかりにくい(住宅ローンも組みにくい)んです。

「私の実家が売れません!」の著者:高殿まどかさんは、再建築不可物件を自力で売りました。

まずは「建築基準法上の接道義務」をクリアしているかどうかを市区町村に確認しましょう。

法務局の地図・役所の都市計画課・建築課などで調べることができるよ◎

再建築不可物件でも、「既存不適格建築物」として活用可能なケースもあります(用途を変える、店舗にする、倉庫として使うなど)。

空き家の活用や売却を検討する前に、必ず「再建築できる土地かどうか」を確認し、必要に応じて不動産会社や建築士に相談しましょう!

③親が認知症になる前にしておきたい準備とは?

親が「認知症」になると、実家の「売却・賃貸契約・相続手続き」が一切できなくなるのを知っていますか?

「実家の名義人=親」の場合、本人の意思確認が必要だからです。

認知症になったあとでは、こんな問題が…

「親が認知症になって施設に入るので、実家を売って資金にあてたい!」と思っても、できないんです…。

認知症になると出来なくなること

・不動産の売却や賃貸契約ができなくなる(本人の意思確認ができないため)

・遺言書の作成ができない

・相続や財産分与の話し合いが進められなくなる

・預貯金の引き出しがスムーズにできない

認知症になる前にしておきたい「5つの準備」

親が元気なうちに準備しておくことがベスト!

①家族で早めに空き家の今後について話し合っておく

② 名義や権利関係を整理しておく

③ 財産の把握・整理

遺言書の作成(不動産の処分方法を明記)

家族信託の活用(親が元気なうちに財産管理権を託しておく)
※家族信託:認知症などで判断能力が低下する前に、本人が信頼できる家族に財産の管理や処分を託す制度

特に注意すべき人・ケース

下記に当てはまる人は要注意です

・実家が親名義のままの人

・遠方に住んでいて今後の活用予定が未定

・兄弟姉妹で話し合いをしていない(もしくは不仲)

・親がすでに物忘れが多くなってきた

親が認知症になると、空き家の選択肢はほぼ「凍結」されてしまいます。

認知症は突然やってきます。

「うちの親はまだ元気だから大丈夫!」では危険です。

相談は「元気なうちに」するのが鉄則!

④空き家対策に活用できる補助金・支援制度を知っておこう

空き家にの利活用や解体には、自治体によって補助金や支援制度が使えます!

ただ、自治体によって異なるので、まずは住んでいる自治体にどんな制度があるのか調べましょう◎

よくある補助金・支援制度

制度名内容補助額(目安)対象者・条件
老朽危険空き家解体補助危険な空き家を解体するための補助最大50万円〜100万円程度空き家が一定基準以上老朽化していること 等
空き家リフォーム補助金空き家を賃貸や定住促進目的で改修する費用の一部を補助上限100万円程度定住目的の改修、賃貸として登録予定など
空き家バンク登録支援金空き家バンクに登録し、成約に至った場合の奨励金登録+成約で10万〜30万円市町村の空き家バンク登録+成約が条件
移住者受け入れ支援空き家を移住者に提供する場合のリフォームや仲介支援工事費・仲介費の一部支援移住促進エリアなど対象地域に限る
住宅セーフティネット制度低所得者向けの賃貸住宅提供で補助改修費の補助・家賃保証など条件に合う入居者の受け入れが必要

※支援内容は各自治体により異なります。詳細は市区町村の空き家担当課に確認が必要です。

注意点:自治体によって内容はバラバラ!

空き家対策の補助金は自治体ごとに違います。

同じ県内でもあっちの市には解体補助金があるのに、こっちの市ではない!ということも。

一部の制度は「事前申請」が必須で、工事後に申請しても受けられないことがあります。

調べ方のポイント

自治体の「空き家対策課」「建築住宅課」「都市整備課」などの公式サイトに検索してみましょう!

キーワード例:「○○市 空き家 解体 補助金」「○○町 空き家バンク 支援」

気になる制度があれば早めに担当課に相談を!

「使えそうな制度があるかどうか」だけでなく、「どうすれば条件を満たせるか」も確認すべき!

空き家対策にはコストがつきものですが、国・自治体はその負担を軽くする支援を用意しています

知らなかった、で終わらせず、まずはお住まいの自治体の補助制度をチェックしてみましょう!

まとめ:迷ったらまず「動いてみる」ことから

空き家になった実家をどうするか、判断するのは難しいです。

この記事では、「判断の軸」を整理して自分に合った選択ができるよう解説しました。

判断できずにいると、結果として空き家を放置かねません。

空き家を放っておくと思わぬリスクが!
・建物の価値低下
・相続登記の義務化(違反すると過料が科される)
・相続が複雑化する
・「特定空家」や「管理不全空家」に指定されると、固定資産税が最大6倍に!
・損害賠償の可能性

「判断の軸」を整理するための7項目をお伝えしました。

空き家を手放す or 活かす?「判断の軸」を7つの項目から整理しよう!
①立地:どこに実家があるか
②物件種別:戸建てorマンション
③所有関係:名義や共有関係を確認しよう
④遺品や家財の量:大量にあるとマジで大変
⑤お金:収支のバランスから考えよう
⑥気持ち:思い出の品と一緒に気持ちも整理しよう
⑦将来性:その空き家、10年後も価値があると思えますか?

「判断の軸」がなんとなくでいいのでわかったら、どんな選択肢があるのか確認しましょう◎

空き家どうする?7つの選択肢
①売る
②貸す
③維持する
④更地にする
⑤民泊にする
⑥空き家バンクを活用する
(番外編)相続放棄をする

選ぶさいに、注意点があります!しっかり理解しておかないと、のちのちトラブルに…!

選ぶ前に知っておきたい注意4選
①「税金」から考える、売る・貸すの判断軸
②【再建築不可物件の場合】資産価値や活用の幅に制限あり
③親が認知症になる前にしておきたい準備とは?
④空き家対策に活用できる補助金・支援制度を知っておこう

実家をどうするか、まずはできることから行動してみましょう!

このサイトでは、空き家や実家じまいの悩みをサポートする情報を発信しています。

悩み解決に向けて少しでもお手伝いできたら幸いです!

どんな些細な悩みでも構いませんのでLINEでご相談いただけたら、と思います。お気軽にどうぞ!

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